369のメトシエラ~奇跡の扉

今日が上映が最後ということで、最後の時間上映で観ました。
上映後に監督と主演によるトークショーが行われると思っていなかったので
少しサプライズ気分でした。※ほんと事前の状況を全く把握して無い日常です。
上のイラストは、上映後に質問や感想をお話された、主演の阿部百合子さんです。
背筋がシャキッとされたとても若々しい方でありました。
11日はお誕生日という事でした。メジャーの松井選手と同じですね!

映画は、最初は暗い雰囲気で、現代の若者や子供の問題点を浮き彫りに描かれていて、
区役所の事務的な対応を主人公が代弁しているかのようでした。

区役所務めの主人公:青年・武田は、偶然助けた行き倒れの、子犬のように拾った若者と暮らしていた、
武田のアパートに転がり込んでいる若者は主人公の武田に好意を寄せていたが、武田は自分の過去や、奥深い本心には触れてほしくない主義の人間だった。
そんな干渉し合わない、楽な関係の生活の中、隣から聞こえる子守唄”に気づいた武田は、
歌うのをやめてもらおうと、ドアを叩いた、
そこから、せつ”さんと出会い、武田は変わり始める・・・・
徐々に、武田の人にも干渉せず、自分にも干渉はしてほしくない、というガラスのような冷たさが、
感情が解けはじめる、
でも、若者役の人、だらけた態度や、泣くシーン、見ていて気持ちの悪くなる部分を
結構爽やかに演じていましたね。
最後に選んだ自分の結末は、残念です、もう少し、我慢して生きれば、幸せもあったはず、
諦めてしまうのは、なぜでしょうか、

若者を失った武田は、老女を必要とします、もう一人の親の居ない少年とともに
母性や愛情や癒しを求めて・・・・

最初は、相思相愛だった男女の、輪廻転生の物語なのかと勘違いして想像していましたが、そうじゃなくて、
物語や迷信のファンタジーではなくて、江戸川乱歩の400年生きた老女”怪奇でもなく、実に現実的な、有りえそうな現実の描写です。

徐々に老婆の正体というか歴史が語られていきますが、じゃあその歴史の前の前の前は・・・?
せつ”おばあさんはいったいどんな歴史だったのかというところが不明です。
それで現実に今までどうやって食べてこれたのか???
もしかしてそこがファンタジー?

いつも思うんですけれど、映画って最低でも3回は見るべきなんですね、
最初は映画館、次はDVDで、そうやって繰り返すと、最初に分からなかった部分が、何度も見ることにより理解できてくるんですね、

でもね、細かな部分はこだわらなくていいと思います。
表現したい部分が素晴らしければ、これがこうでなんて理屈は要りません。
でも本当に、不思議な映画です、人との触れ合いを大切にすることを教えられたようです、
他人とは、話をしたことが無い人、顔も見たことが無い人
それでも縁があり、笑いあい、心を通わせたら、もう他人じゃない
そうやって思いやりや心遣いが生まれていく、それが人間の素晴らしいところ
何を求めていて、何を受け入れるか、拒絶する意味など何も無いんだと
いま目の前にある人との繋がりが、生きている証しなのかもしれない、

人が人を必要とするのは、ごく普通のことで、もちろん孤独が嫌だから、
人を避けて関わらないようにするのは傷つくのが怖いのもある
人間不信とか・・・
それでも誰かと毎日顔を合わして話をしたい、些細なことを語りたい
愛情や歴史を大切にしたい、辛くても、生きていく、それが人間だ
そういう気持ちも含めて、心を通わせよう、より多くの人が、あなたとの出会いを待っているかもしれない、それに気づこう、と感じる映画でした。

主人公青年武田役の方、吉田栄作さんと織田裕二さんを割ったような顔立ちで、
まじめな区役所職員にピッタリでした。最初は硬い厳しい冷たい感じの表情が、最後には優しく微笑んでいましたね

好きなシーンは、せつさんの髪を夫の武田がくしで梳かすところ、山道を手をつないで歩くシーン、愛情を感じるシーンですね、
二人で暮らすようになったせつさんの方のアパートの部屋に、武田が使用していたガラステーブルやトースターが持ち込まれていて、ハンガーまで置いてあって、
演出が微笑ましいですね。
それから映画音楽ですが、素晴らしいです、透き通るようなメロディ、悲しさや切なさが伝わってきます。

今日のトークショーでは、監督さんの話で、3年前に制作した段階では、上映される予定も未定だったとか、大変苦労されて制作してこられたようです。
千秋楽上映、お疲れ様でした。
それから、
主演された、大垣 知哉 さんはこれから徐々にすご~く売れて行くでしょう。
私が良いと思う方はだいたい売れます。なんちゃって(^ε^)


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